新型コロナの融資現況

新型コロナ融資の状況について考えてみます。

この制度は2020年3月17日に募集開始。
当時は2020年での東京オリンピック開催の可能性を残していたためか、融資額は固定費の3か月間分で公庫の現場では運用されていた印象です。
実際に窓口ではそのように話がありましたし、公庫の記入例を見ても3か月分が使われていました。

私のお客様は「重要外注先の費用は当社にとっては実質固定費です。さらに6か月先の受注もキャンセルになりました。」という説明で、ほとんどが6か月分以上の借入を行うことができています。さらにこの間、経営改善に努め、追加融資自体が不要な状況です。

グラフは、政策金融公庫の中小企業事業と、国民生活事業の融資件数と融資実行額の推移を表しています。
新型コロナ融資だけではないと思いますが現況ではほとんどがコロナ融資だと考えて差し支えないと私は考えます。

明らかに5,6月をピークに融資額は減少しています。
作表前は、3月から5月に初回融資を受けた企業が8月に追加融資を受けて融資額がまた伸びるのかとも思いましたがはずれました。

東京商工リサーチによる今年の倒産件数を見ると5月は314件と少ないも、5月を除く8月までの実績は概ね700社程度で推移。
追加融資がなくとも多くの中小企業ではどうにか資金繰りが回っているのでしょうか。