追加経済対策と事業再構築補助金
12月8日に閣議決定した追加経済対策で再生支援家の立場で少しコメントします。多くの報道がありますが、原書は内閣府の【国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策】です。50ページとボリュームありますが、興味あれば読んでみてください。
1.【経済構造の転換・イノベーション等による生産性向上 】
以下、冒頭箇所を抜粋。
「中小・小規模事業者の経営転換や企業の事業再構築等の支援付加価値の5割以上、雇用の7割を生み出すなど地域の経済を支える基盤である中小・小規模事業者に対して、淘汰を目的とするものではないことは当然として、ポストコロナに向け、中小企業の事業継続、業態転換や新たな分野への展開等の経営転換を強力に後押しすること等を通じて、生産性の向上、賃金の継続的な上昇につなげる。引き続き、最低賃金の引上げに向けた環境整備に取り組む。 」
なかなか示唆に富んだ文章。
結論は「中小企業は、事業継続・業態転換・新分野へ進出し、生産性の向上を務めなさい。国も支援します。」なのですが、これだけだと、「やはり菅政権はアトキンソン氏の意見に同調している」、「中小企業イジメだと言われかねません」
なので、中小企業こそが日本を支えています、今回の策は淘汰を目的をするものではないですよとアピールしています。うがった見方をすれば、確かに過去は中小企業に支えられていましたが今後は分かりません、淘汰を目的とはしませんが結果そうなるかもしれませんと言っているようにも、
2.事業再構築補助金の創設(経済産業省)
説明文を抜粋。
「経済社会の変化に対応しようとする中堅・中小企業による、新規事業への進出等の新分野展開、事業転換、業態・業種転換等の取組や、事業再編及びこれらの取組を通じて規模の拡大を行う事業者に対して、その設備投資費用等を最大1億円補助する。」
報道によると、1件当たり100万円から1億円、補助率は2/3で予算枠1兆円です。
100万円だと100万社、1億円だと1万社の計算。待てよ1万社としても相当な数、だれがどのように審査するか?持続化給付金のような形式要件で判断できるものではなく、事業計画を判断できる能力のある人物が判断することになるはず。2.7万人いる中小企業診断士ならば誰でもできるというわけではなないだろう、ある程度実績があって経産省と信頼関係のある人物に限定される。その数はせいぜい100人程度か?採択率が33%とすると応募は3万件から333万件。一人300件から3.3万件。1人が1日に10件判断できるとして、30日から9年!?。そもそも1億円の案件を一人で日に10件判断するのはあり得ない、複数チェックは絶対だ。
審査方法が疑問だし、支給時期、平均支給額も疑問だ。
つらつらと結論が無い投稿となりましたが、どこかでまとめたいと思います。