廃業と売却どっちがお得

10月2日(金)は十数年ぶりに某税理士法人系のコンサルティング会社を訪れました。以前と変わらず、皆さん精力的に活動されておりました。その中で、中小企業の経営者は、お子さんへの承継か、廃業の二者択一で考える方が多いですねという話を伺いました。本来であれば、お子さん含む親族への事業承継、廃業、第3者(親族でない社員、別会社含む)への売却の3択のはずです。初めから売却を選択肢から外すのはもったいないのでは。ということで、廃業コストと、売却代金の比較をしてみます。あくまで損得の比較ですから、損得でなく好き嫌いで決める経営者もいてよいと思います。
これは2018年の中小企業白書より抜粋した表です。
廃業コストが無料が9%、無料もしくは100万円未満64%、100万円以上が36%。
一方で売却対価は、無償が40%、無償もしくは100万円未満が56%、100万円以上が44%です。
廃業コストが無料の企業を無償で譲渡する以外は、おそらく得のはずです。なので、廃業を検討している経営者も、期間限定でも良いので、売却の可能性を探ってみたらいかがでしょか。

実際には上のようにシンプルなケースは少なく、売却時に外部へ支払う費用、地域社会からの見られ方、従業員の雇用確保又は再就職支援、なんとなく売却後に損害賠償でも起こされるのではという見えない恐怖、社長自身の人生観あたりが複雑に絡み合っているのでしょう。この辺りも踏まえて、経営者の満足度が最大となるようなスキームを提案できるように中小企業向けのコンサルは努める必要があります。